メンタル&ライフバランス術 for 獣医学部生:6年間を乗り切るための生活戦略

── 長期戦を勝ち抜くための「継続主義」と「セルフケア設計」
はじめに:獣医学部の6年間は「マラソン」のような長期戦
獣医学部の6年間は、まさに「マラソン」のような長期戦です。膨大な知識、厳しい実習、そして国家試験というゴールに向かって走り続けるには、メンタルと生活リズムの管理が最重要となります。
ここでは、実際に多くの獣医学部生が実践している「6年間を乗り切る生活戦略」を、段階別・テーマ別に紹介します。
第1章:獣医学部という“特殊な環境”を理解する
6年間の全体像
獣医学部では、成績不振による留年が決して珍しくないのが現実です。だからこそ、**「計画的に」「息抜きを設計する」**ことが、健康的な生存戦略となります。
| 年次 | 主な学び | 特徴 |
| 1〜2年次 | 一般教養・基礎科目(生物・化学・解剖など) | 座学中心・暗記量が膨大 |
| 3〜4年次 | 専門科目(病理・薬理・臨床学など) | 授業+レポート+小テスト |
| 5〜6年次 | 臨床実習・国家試験対策 | 体力・精神力の総力戦 |
第2章:メンタルマネジメントの基本原則
- “完璧主義”を手放す
獣医学部には優秀な学生が多く、「自分だけできない」と感じる瞬間は必ず訪れます。全てを完璧にやろうとするほど、燃え尽きるリスクが高まります。
- 対策ポイント: 80%完成を目指す(完璧主義より**「継続主義」**)。“できた部分”に焦点を当てるセルフフィードバックを習慣化する。
- 感情の“棚卸し”をする
感情を溜め込むと、知らぬ間にストレスが蓄積します。定期的に**「書き出す・話す・動く」**を意識しましょう。
- おすすめメンタルケア習慣: 日記やメモで「今日の頑張り」を3行書く。同期や先輩と**“弱音ランチ”**を設ける。スポーツ・散歩・軽運動でストレスを発散する。
- マインドフルネスを取り入れる
短時間で集中とリラックスを両立できるのがマインドフルネスです。
- **「1分深呼吸法」**を実践しましょう。呼吸に意識を向けることで、脳の疲労回復とストレス緩和に効果的です。
第3章:学習×生活のバランス戦略
- 「学びのリズム」を固定化する
膨大な勉強量も、「ルーティン化」すれば継続可能です。毎日同じ時間に**“始めて・終える”習慣**が、長期的な集中力を支えます。
| 時間帯 | 内容 | ポイント |
| 7:00〜8:00 | 朝の復習・予習 | 朝は記憶定着率が高い |
| 9:00〜17:00 | 授業・実習 | スマホOFFで集中環境を設計 |
| 18:00〜19:00 | 休憩・軽食 | **“何もしない時間”**を意識的に取る |
| 19:00〜22:00 | 復習・レポート・暗記 | Pomodoro法などで効率学習 |
| 23:00〜 | 入浴・日記・就寝 | 睡眠時間の確保を最優先 |
- 学期ごとの「エネルギーマップ」を作る
テスト、実習、レポートの繁忙期を可視化し、エネルギー配分を計画的に行います。
- 実践例: 6月の小テストラッシュ期は「週末は復習専用日」と設定し、8月の長期休暇には「完全オフ日を必ず設定」する。
- デジタルツールを味方にする
効率を上げるには、勉強と生活の両方をデジタル管理するのがコツです。
- おすすめアプリ: Notion/GoodNotes(ノート整理・スケジュール管理)、Forest/Focus To-Do(集中タイマー)、Google Calendar(週単位の予定可視化)。
第4章:人間関係&チームワーク術
- “孤独な頑張り”を避ける
獣医学部では、協力できる仲間の存在が最大の財産です。
- 授業ノートの共有、模試・実習の情報交換、モチベーションの支え合いが重要。孤立しすぎず、緩やかに繋がる関係が理想です。
- “競争”より“共助”を意識
同級生はライバルであり、将来の同僚でもあります。「点数」よりも、**「どう成長できたか」**を基準に自己評価しましょう。
- 教員・実習先との関係づくり
- 研究室や実習先では、素直さと誠実さが信頼につながります。
- 分からないことは早めに質問する(自己判断で抱えない)。
- メール連絡は簡潔・丁寧に(社会人の基本を意識する)。
第5章:体調管理と生活習慣の整え方
- 睡眠と食事を最優先に
- 睡眠6〜7時間を死守(記憶と集中のベース)。
- 栄養バランスを意識し、**「食べる=勉強の一部」**と捉える。カフェイン・エナジードリンクへの過度な依存は避ける。
- 体を動かす
運動はメンタル安定の即効薬です。
- 1日10分のストレッチ、週2〜3回のウォーキング or ジョギングを取り入れる。
- 睡眠リズムの崩壊を防ぐ
テスト前ほど、**徹夜より「短時間集中+仮眠」**が効果的です。20分の仮眠でも脳はリセットされます。
第6章:燃え尽き防止のセルフリセット術
- 「ミニ目標」を設定して達成感を可視化
- “今日の達成”を3つ書き出す。1科目終えたら自分に小さなご褒美を設定する。
- 「非勉強時間」をスケジュールに入れる
**“休む時間を計画に組み込む”**のが継続の鍵です。
- 週1回は完全オフデーを確保し、趣味や散歩などで「非獣医モード」を作る。
- 「卒業後の未来」を定期的にイメージする
臨床、研究、公務員など、進路を定期的に見直すことで、学びに意味が生まれます。**「今の努力が将来どこに繋がるのか」**を意識することで、やる気を維持できます。
まとめ:6年間を「走り切る」ための5つの心得
| 覚えておきたいポイント | 解説 |
| ① 完璧を目指さず継続を重視 | 日々80%でOK。止まらないことが最強の戦略。 |
| ② 学びを生活に組み込む | “勉強モード”と“休息モード”を明確に切替える。 |
| ③ 仲間との協力を大切に | 支え合う仲間がモチベーションの源になる。 |
| ④ 睡眠・栄養・運動をルーティン化 | 健康が最大の集中力であり、基礎体力。 |
| ⑤ 将来像を常に思い描く | “なぜ学ぶのか”を意識すると挫折しにくい。 |
終わりに
獣医学部の6年間は確かに長く、過酷な道のりです。しかし、それは同時に「自分を知り、成長する6年間」でもあります。
焦らず、比べず、一歩ずつ。心と体を大切にしながら、自分なりのペースで進んでいけば、“獣医師”というゴールにたどり着けるでしょう。
― 継続こそが最大の才能。あなたの6年間が、確かな未来につながりますように。
Meg講師:平松 育子 先生
平松育子先生は、山口大学農学部獣医学科(現 連合獣医学部)を卒業された獣医師です。
卒業後は山口県内の複数の動物病院で代診として経験を積まれました。その後、山口市でご自身の動物病院を開業され、現在は大手動物クリニックの院長を務めていらっしゃいます。
授業においては、その豊富な臨床経験に基づいた、わかりやすく丁寧な解説が受講生から好評を得ています。