獣医学生の生活~4年生編~
皆さん、こんにちは。現役獣医学生によるコラム、第5回目になります。
今回はいよいよ学生生活も後半戦に突入してきた、 4年生の様子 について紹介したいと思います。
いよいよスタート「臨床科目」
4年生になると、授業は臨床科目がメインになってきます。
臨床科目は実際の病気の症状や治療法など、病院で働くうえで土台となる科目です。
具体的にいうと、循環器呼吸器病学、皮膚病学、腫瘍学、消化器病学などなど…
それぞれの病気にあわせたクラスが開講されます。
「動物病院で働きたい!」と思って入学した学生にとっては、いよいよ本格的な臨床内容が学べるため、やる気スイッチが急にONになる人もちらほら(笑)
もちろんテストはとっても難しいですが、病気のことがわかるようになるおもしろさがあり、個人的には一番楽しい科目でした。
このころから医療系のドラマをみていると、違った視点で楽しめるようになりました。(笑)
はじめて立ち会った牛の出産
4年生は実習もより臨床に近いものになっていきます。
産業動物実習では実際に出産が近い牛をみんなでお世話し、出産まで立ち会うという貴重な経験ができました。
普通、大学の実習は時間が決まっているものですが、臨床実習は時間が決められないという特徴があります。
「実習は午後1時からだからその時間に産んで!」なんて牛に頼むわけにもいかないので…(笑)
そのため出産予定日間際はいつ出産がはじまるか、授業の間もバイトの間も常にそわそわしていました。
先生がいうには、「例年日頃の行いがいい学年では昼間に、不真面目な学年では真夜中に産まれるよ」とのことでしたが、
私達の時は無事夜中に産まれました(笑)
夜の11時に学校集合のメールが届きましたが、私は「今日はもう産まれないか!」とお風呂にはいったばかりだったので絶望したのを覚えています。
ですが、眠い目をこすりながら見学した牛の出産はとても感動的で、夜中だということを一瞬で忘れてしまうものでした。
こんな貴重な経験ができるのも、獣医学部ならではかもしれません。
本格的な「麻酔実習」
4年生では、大学で飼育されている犬たちの協力のもと、本格的な麻酔の実習もスタートします。
麻酔実習では麻酔モニターの見方や麻酔中の管理、注射法などについて学んでいきます。
麻酔をする際、留置針を設置するのですが、これがとても難しい。
手先の器用さも関係あるのかも…
グループにわかれて実習を行うのですが、毎回一発成功の留置針の神がいる班はいつもスムーズに実習が進んでいました。
私も留置神になってみたいものです。(笑)
より実践的な経験ができる「インターンシップ」
4年生でぜひ取り組んでおくべきだなとおもうのは、長期休みを利用した個別実習やインターンシップです。
動物病院や各都道府県、国の機関(農水省など)、NOSAI、動物園水族館などいろいろな実習・インターンシップがあるので興味ある分野にどんどん参加すべきだと思います。
学年があがると参加したくてもなかなか時間がとれないので…
獣医は職種が本当に広いので、一つの分野に固執せず、いろいろな仕事を体験させてもらうのがいいと思います。
興味ないとおもっていたけど案外自分に向いているかも…という仕事がみつかるかもしれません!
以上、4年生の暮らしについて紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
4年生はまとまった時間のとれる最後の時期なので、いろんなことに積極的に挑戦すべきだと思います。
私自身は4年生の時期は留学準備にあてていました。
海外で野生動物の獣医学をより深く学びたいおもい、トビタテ留学JAPANという制度に応募して、ビザの申請や旅券の手配など忙しい日々でした。
結局コロナウイルスの流行で留学の延期をせざるを得なくなりましたが、留学にむけた挑戦で自分を成長させることができたと思います。
これを読んでくださっている獣医学部を目指している方やそれ以外の大学進学を目指す皆さんにも、入学後も新しいことにどんどん挑戦することをおススメします。
大学生活は自由に使える時間が増えるので、わりと何にでもチャレンジできますよ(笑)
次回は病院実習がスタートする5年生の様子について紹介したいと思います。
それでは、また。