獣医学部1-2年生のカリキュラム徹底解説
みなさんは将来獣医師になることを夢見て日々勉強に励んでいることと思います。
その道のりは決して楽ではなく、どこまで頑張ればよいのか?と思うこともあると思います。
いま獣医師をしている私もかつては受験生でした。
だからこそ、同じ目線でお伝えできることもあると思います。
数回に分けて「獣医学部のこと」「獣医学部の受験のこと」「獣医師国家試験のこと」などをお伝えしていきたいと思います。
1回目は「獣医学部ではどんなことをするの?1-2年生編」です。
獣医学部は医学部や薬学部と同様に6年間の大学生活を送ります。大学によって少し異なる部分がありますが、基本的に次のように学科が組まれます。
獣医学部における大学生活のカリキュラムについて
1年生: 第1外国語・第2外国語・経済学・哲学・体育・倫理学などの教養学
2年生: 生化学・獣医臨床栄養学・獣医解剖学などの獣医学基礎と教養学
3~6年生: 獣医学(基礎・各論・応用・実習など)
6年生: 獣医学に加え、個々人の専修分野について研究を行い卒業論文作成
以上のように大学生活を送り、卒業に必要な履修単位を取得後、獣医師国家試験を受験します。
1年生のカリキュラムは『教養学』がメインです。
1年生の間は、ほぼ獣医学に触れる機会がなく、やる気の出鼻をくじかれたようになってしまうかもしれません。獣医学部の学生は、獣医師を目指しますが同時に卒業後は社会人でもあります。一般的な教養を身に着けることは非常に大切です。
また、英語は2年生までありますが、獣医学の文献は英語で書かれているものが多く、将来海外の獣医大学に留学する機会があった時に英語になじんでおくことは大きなメリットになります。
また、卒業論文などの論文には参考文献を記載する必要があります。この参考文献は英語論文から用いることもあるため、やはり英語は必須となるでしょう。
2年生のカリキュラムは教養学に『獣医学基礎』も入ってきます。
2年生になると栄養学や解剖学、生理学などの基礎獣医学の勉強が始まります。どちらかというと病気の勉強というよりは体の仕組みが中心です。
この分野は難解で、なぜ骨や筋肉、体の中の仕組みの勉強ばかりなのかと退屈に思えるかもしれません。しかし、学年が上がったり、実際に獣医師として仕事を始めた時に本当に基礎分野が大切だったことに気づきます。
私は動物病院という臨床の現場で仕事をしていますが、病気を見つけるためには「正常」を知らなくてはいけません。正常な姿の基本が生理学・解剖学・組織学に盛り込まれています。
しっかり教養を身に着けて、基礎獣医学を学ぶと3年生からいよいよ本格的に獣医学を学ぶことになります。次回は3-4年生ではどのようなことを学ぶのか、研究室決めについてお話しします。
執筆者:平松育子先生(blog:平松育子の人生のストーリー)