獣医学部3-4年生のカリキュラム徹底解説
第1回では獣医学部に入学し1-2年生で何を学ぶかという内容でしたが、今回は3-4年生で何を学ぶかをお話しします。
3年生になると教養学部を過ぎ獣医学の専門分野の勉強が始まります。
「薬理学」「毒性学」「微生物学」「公衆衛生学」「人獣共通感染症学」「魚病学」「牛診療学」「家禽疾病学」「診断学」「放射線学」などを学んでいきます。(前に全部「獣医」がつきますが、省略しました)大学によって内容は異なりますので、希望する大学のカリキュラムとは少し異なるかもしれませんが基本的な部分はほぼ変わりません。
座学だけでなく実習や実験も入ってきますので、いよいよ本格的に獣医師になるための勉強が始まるわけです。
内容も難しくなり、わからないことも出てくるかもしれません。教科書も分厚く内容も複雑になっていきます。大切なことは受験時代と変わらず、わからないところを放置しないことです。どれが大切で、どれが大切ではないという境目がありません。不必要なところは何一つなく、勝手に不必要と判断すると思わぬ事態が起こります。
例えば、私のように臨床獣医師であれば患者さん(病院に来る犬や猫たちは患者さんと呼んでいます)が亡くなることにつながります。わからないところは一度自分で考えたり調べ、自分なりに「何がわからないのか?」「どこまでわかっているのか?」を明確にしたうえで先生に質問しましょう。一番よくないのは、考えずに「教えてください」と言ってしまうことです。
3年生の冬には研究室を決めます。
研究室は「内科学」「外科学」「微生物学」「薬理学」「解剖学」「生理学」「病理学」などがあり、自分が深く勉強したいところに配属されます。
つまり、3年の冬までには様々な勉強を通じて興味のある分野を決めておく必要があります。私は、神経病学(癲癇や椎間板ヘルニアなど)の研究をしたかったので内科学研究室を希望しました。
4年生からは本格的に先輩の実験の手伝い等から学びます。
研究室に入り、4年生からは本格的に先輩の実験の手伝いなどをしながら様々なことを学んでいきます。研究室での実験、学校では授業に出席しますので正直忙しくなります。4年生の間には自分の研究テーマを決めて卒業論文を作成する準備をしていきます。
獣医学部の卒業論文は実験を行ったり、研究データをとり論文にします。これは、卒業するために必要な単位の一つですが、内容がよい場合は英語などに翻訳し海外の獣医学雑誌に投稿したりします。
選考を通れば海外の獣医学雑誌に論文として掲載され、海外の獣医師の目に留まることになります。他にも、学会に出て発表したりもします。緊張しますが本当にやりがいがあります。
次回は、5-6年生ではどのようなことをするのかについてお話ししたいと思います。
執筆者:平松育子先生(blog:平松育子の人生のストーリー)