獣医師免許は誰が管轄?農林水産省と厚生労働省の違いを徹底整理【2025年最新版】

獣医師免許の管轄省庁を示す農林水産省と厚生労働省のイメージ

獣医師国家試験に合格した後、獣医師免許の手続きはどこで行うのか。獣医師資格に関わる省庁の役割分担について、獣医師になるには必ず知っておきたい重要情報を分かりやすく解説します。

結論:獣医師免許の管轄は農林水産省(MAFF)

獣医師免許証のイメージ画像

重要ポイント(3つ)

1

獣医師免許の交付・登録管理は「農林水産省(MAFF)」が全面管轄 → 国家資格としての実施、免許交付、獣医師名簿管理を行う。(根拠:獣医師法第3条・第4条・第22条/e-GOV 法令検索)

2

厚生労働省(MHLW)は公衆衛生・感染症対策分野で獣医師と連携 → 食品衛生や人獣共通感染症(例:狂犬病、鳥インフルエンザ)で協働。

3

両省は「動物の健康(農林水産省)」と「人の健康(厚生労働省)」で役割を分担 → 現場では共同対応も多く、役割を理解しておくと、進路選択に有利。

獣医師免許とは?

根拠法令 獣医師法(昭和24年法律第186号)
管轄省庁 農林水産省
試験実施機関 農林水産省消費・安全局畜産安全管理課
登録・名簿管理 農林水産大臣(法第4条)
免許更新 更新制度なし(ただし、届出義務あり:法第22条)

厚生労働省(MHLW)の役割

厚生労働省は獣医師免許の管轄ではありませんが、以下の分野で獣医師と密接に関わっています:

  • 公衆衛生分野での獣医師の活用
  • 食品衛生監視員としての獣医師の配置
  • 人獣共通感染症対策での協働
  • 保健所・検疫所での獣医師の勤務

両省の役割分担の比較表

省庁 主な担当分野 関係する法令・制度 主な獣医師の関わり方
農林水産省(MAFF) 家畜衛生、獣医師免許、動物用医薬品、家畜防疫 獣医師法、家畜伝染病予防法 国家資格試験・免許管理、防疫官、家畜衛生技術者
厚生労働省(MHLW) 公衆衛生、食品衛生、人獣共通感染症 食品衛生法、感染症法 保健所・検疫所勤務、感染症対策研究、食品安全行政

よくある質問(Q&A形式)

Q1. 国家試験や免許登録はどの省庁が行っていますか?

A. すべて農林水産省(MAFF)の管轄です。厚生労働省は関与しません。

Q2. 厚生労働省にも獣医師は勤務していますか?

A. はい。保健所・検疫所・食品衛生部署などで、感染症や食品安全の専門家として働く獣医師がいます。

Q3. 氏名変更や死亡届などの届出はどこに出しますか?

A. 都道府県経由で農林水産大臣宛に届け出ます(獣医師法第22条)。

Q4. 人獣共通感染症に関する対応はどちらが担当ですか?

A. 感染源が「動物側」なら農林水産省、「人側」なら厚生労働省が中心ですが、実際は連携して対応します。

国家試験から免許取得までの流れ

獣医師国家試験から免許取得までのステップ

  1. 1

    獣医学課程(6年制)を修了する

  2. 2

    農林水産省が実施する獣医師国家試験を受験

  3. 3

    合格後、農林水産大臣に登録申請を行う

  4. 4

    名簿登録が完了すると獣医師免許証が交付される

注意:登録後も「2年ごとの届出」(勤務先・住所変更)が必要です(獣医師法第22条)。

どこに問い合わせるべきか?

獣医師免許に関する問い合わせ先イメージ

目的 担当省庁 担当部署・連絡先
獣医師国家試験の実施・結果 農林水産省 消費・安全局 畜産安全管理課
免許証の再交付・名簿登録 農林水産省 同上
家畜伝染病・畜産衛生 農林水産省 動物衛生課 等
人獣共通感染症・食品衛生 厚生労働省 健康局・食品衛生課 等

まとめ

シーン 管轄 補足
国家試験・免許交付 農林水産省 試験実施もMAFFが全面担当
家畜伝染病・動物衛生 農林水産省 家畜保健衛生所などが連携
食品衛生・感染症対策 厚生労働省 公衆衛生分野で獣医師が活躍
氏名届出・登録事項変更 農林水産省 都道府県経由で届出

関連ページ

出典一覧