獣医師国試の実地問題〔C・D〕対策|症例・画像問題の考え方と復習法

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この記事の結論
獣医師国試の実地C・D(各60問)では、症例・事例の条件を整理し、必要な知識を使って判断する練習が大切です。画像だけで疾患名を当てようとせず、問われていること、対象動物、経過、検査情報を順に確認します。復習では答えに加え、判断に使った情報と見落とした条件を残します。

制度・数値の確認日:2026年10月20日(農林水産省の公表資料、当校受講料ページ)。学習計画・会話・計算例は、学習方法を説明するための提案例・架空例です。

実地C・Dは何を問う試験なのか

第78回から適用される出題基準では、実地Cは「原則として衛生学に関する事項・獣医学の臨床的事項について、獣医療現場で実際に起こり得る症例・事例に関する基本的かつ重要な事項」、実地Dは「同じく症例・事例に対する対処方法等の総合的な事項」とされています。問題数は各60問です。小動物の疾患だけでなく、産業動物や衛生・公衆衛生の事例も視野に入れます。

出題基準で示された臨床的事項の出題範囲
項目 内容
問われる内容 疾患・障害について、病因、病原性、疫学、病理、病態生理、症状、検査、診断、治療、予防(防疫)、予後
水準 標準的な学生用の教科書に記載されている程度
対象動物 みつばち及び魚類を除く飼育動物(一般に人が飼育する動物)

「Cは画像だけ」「Dは治療だけ」と単純に分けて覚えるのは適切ではありません。実際の設問で何を問われているかを読み取り、診断、検査、対処など、必要な判断を区別する練習をしましょう。

出典:獣医事審議会「獣医師国家試験出題基準(令和7年度改正)」(2026年10月20日確認)

症例文は「設問の要求→条件→所見」の順で整理する

  1. 要求を確認:疾患名、検査、対処、誤っている事項など、答える対象を把握する。
  2. 条件を整理:動物種、年齢、性別、頭数、飼育環境、経過を拾う。
  3. 所見を確認:症状、身体所見、検査値、画像を事実として整理する。
  4. 候補を比較:一致する情報と、矛盾する情報をそれぞれ確認する。
  5. 選択肢を判断:設問の条件に戻り、最も適切なものを選ぶ。

問題文のすべての情報を同じ重みで覚えようとすると、判断が散らばりやすくなります。解説で「何が決め手だったか」を確認したら、次に同じ種類の設問で最初に見る条件を一つ決めておきます。解答の順序は自分に合うよう調整できますが、設問が要求する判断を見失わないことが大切です。

受験生:画像を見ると、知っている病名をすぐ選んでしまいます。

講師:画像から見えた事実と、そこから考えた病名を分けて言ってみましょう。問題文の動物種や経過と合うかも確認します。

※学習相談を想定した会話例です。実際の受講者の体験談ではありません。

画像が読めない原因を4つに分ける

画像問題の課題別対策
つまずき 確認すること 練習の方向
正常像が曖昧 正常の位置・形・構造を説明できるか 正常と異常を並べて比較する
異常を言葉にできない どこが、どう違うか 観察した事実を短い文にする
所見と疾患がつながらない 病態や検査の意味が分かるか 基礎科目に戻って機序を確認する
条件を無視してしまう 動物種・年齢・経過を見ているか 症例文と画像を往復して照合する

画像の枚数を増やす前に、どの段階で止まるかを見ます。「異常な気がする」までしか言えない場合は、疾患名の暗記を足すより、部位や分布などの観察を言語化する練習が必要です。画質や表示の問題で見えない情報を、見えたものとして扱わないことにも注意します。

農林水産省の公開資料では別冊C・Dなどの掲載が省略されているため、画像演習に必要な資料を確認してください。生成AIが作った画像や未検証の解説を正確な診断教材としてそのまま使うことは避け、出典と内容を確かめられる資料で学びます。

出典:農林水産省「獣医師国家試験」(試験問題・正答値・受験手続)(2026年10月20日確認)

学説問題と実地問題を同じ単元でつなぐ

学説では答えられるのに実地で迷う場合、知識そのものより、知識を取り出す手がかりが不足している可能性があります。同じ単元の学説問題と症例問題を並べ、どの基礎知識が、どの所見の解釈や選択肢の比較に使われるかを確認しましょう。

【説明用の架空例】検査値の変化から病態を説明する問題

まず値の変化を読み取り、次にその変化を生む仕組みを説明し、最後に症状や他の所見と整合するかを確認します。単一の数値や一つの画像だけから疾患名を決めず、条件全体で候補を比較する練習です。

復習用紙には、①要求された判断、②重要な条件、③根拠になった所見、④除外した候補、⑤次回の注意点を記録します。すべての設問で長文を書く必要はなく、間違えた箇所を中心に短く残すと続けやすくなります。

第77回の実地では、心電図・検査値・発生状況のグラフなどを組み合わせて判断する設問が見られました。具体例は第77回の総評・問題分析で解説しています。

時間制限のある演習と振り返りを組み合わせる

理解を深める演習と、時間内に判断する演習は分けて行います。考え方を学ぶ段階では根拠を丁寧に確認し、本番を想定する段階では、迷った問題に印を付けて先へ進む練習も行います。見直しでは、時間不足が文章の読み取り、知識の取り出し、選択肢の比較のどこで生じたかを振り返ります。

Megのオンライン授業では画面共有などを活用し、どの情報に注目したかを講師と一緒に確認できます。実地が苦手な理由が基礎知識の不足なのか、所見の整理なのかを分け、必要な範囲をマンツーマンで補強します。なお、実際の動物の診療判断は、本記事の学習手順だけで行うものではありません。

まとめ

  • 実地C・Dは各60問。Cは症例・事例の基本的事項、Dは対処方法等の総合的事項。
  • 設問の要求と症例の条件を先に整理する。
  • 画像は観察事実と解釈を分けて確認する。
  • 学説の知識を症例の所見と結びつけて復習する。

確認テスト|10問

各設問を押すと解答・解説が開きます。本文の理解と学習方法を確認するための問題で、国家試験の実際の設問ではありません。

問1.実地C・Dの問題数は?

解答・解説:各60問、計120問です。

問2.実地は小動物だけを対象とする?

解答・解説:いいえ。産業動物や衛生・公衆衛生の事例も視野に入れます。

問3.最初に確かめたいことは?

解答・解説:設問が何を答えるよう求めているかです。

問4.臨床的事項で問われる内容の範囲は?

解答・解説:病因から予後まで、標準的な学生用教科書に記載されている程度です。

問5.画像から見えた事実と病名は同じ?

解答・解説:観察と解釈は分けます。

問6.正常像の理解が曖昧なら?

解答・解説:正常と異常を比較する練習から始めます。

問7.単一所見だけで疾患を確定する?

解答・解説:条件全体と照らし合わせます。

問8.農林水産省の公開資料で別冊C・Dをすべて見られる?

解答・解説:掲載省略の注記があります。

問9.時間不足は読解速度だけの問題?

解答・解説:知識の取り出しや選択肢の比較も確認します。

問10.学習手順だけで実際の診療を決めてよい?

解答・解説:いいえ。本記事は受験学習の方法を扱っています。

よくある質問

Q. 実地C・Dは画像の暗記で対策できますか?

A. 画像の経験は大切ですが、症例の条件や所見の意味も理解する必要があります。画像だけで疾患名を当てる練習に偏らないようにします。

Q. CとDはどのように違いますか?

A. 第78回からの出題基準では、Cは症例・事例に関する基本的かつ重要な事項、Dは症例・事例に対する対処方法等の総合的な事項とされています。個々の設問の要求も確認します。

Q. 基礎が苦手でも症例問題に取り組んでよいですか?

A. 対応する基礎を復習しながら少量ずつ取り組みます。症例で使われる場面を知ることが、基礎の整理にも役立ちます。

Q. 画像の異常が分かりません。何から始めますか?

A. 正常の構造を確認し、どの部位がどう違うかを言葉にするところから始めます。教材の画質や必要な資料の有無も確認します。

Q. 時間が足りないときは速く読む練習だけでよいですか?

A. 知識の取り出しや候補の比較で止まる場合もあります。どの工程で時間がかかったかを分けて見直します。

参考資料・情報の確認先

公式の制度・結果と、本記事の学習上の提案は区別して記載しています。受験手続は当該回の公式資料、大学の制度は所属大学の最新案内をご確認ください。

執筆・編集:Meg獣医師国試予備校 講師チーム

監修:岩崎 陽一(株式会社アクト 代表取締役)。医療系国家試験対策の指導に30年以上携わり、Meg獣医師国試予備校をはじめ医療系7部門の予備校を運営。

最終更新日:2026年10月20日/運営:株式会社アクト